♂助かったのは♀

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揺さぶるのをやめると背後から聞き覚えのある声がした。 「はら……ペコ?」 「はらぺこだっ。」 私を‘はらペコ’と呼ぶ人物はあの学校で二人しかいない。 殺意のある目で後ろを振り向くとやっぱり。 そこには二人の少年。 つんつん黒髪がチャームポイントの桜井 海斗。 柔らかフサフサしたくせっ毛が 山田 勇。 この二人はなぜだか私の事をハラペコという。 なぜだかはよくわからないが、それがとても憎らしい。 本人達がいうには、私がいつも『お腹がへった』と言っているからだそうだ。 まぁ、そこで寝転んでいる篠原も私を馬鹿にするのだが…。 しかも、桜井海斗のほうは私が今もっとも会いたくない人物の一人だった。
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