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「よぉ高瀬。お前、やっぱり千歳さんとなんかあったのか~?」
鈴木の若干目が座ってる感じがやたらと腹立つ…
「ホント仲いいよね!やっぱり席的関係かな?」
それに対し、渡辺のフォロー的な言葉に俺は乗っかる事にした。
「そう。席的関係だ」
俺はこんな感じで話を流した。
しかし、どうも聞きたがり屋&話したがり屋が、しつこかったが…俺はことごとく無視した。
「やっぱり、女子の間では手話の話題が増えてきたね」
すると、渡辺は少し話題を変えた。
「高瀬も手話覚えたらどうだ~?その"席的関係"とやらで使うだろ~」
鈴木は相変わらず"千歳"の話をしたいらしいがな。
「お前は何を言いたいんだよ」
「別に~」
「悪いが手話は無理だ。元々物覚えが悪くてだな」
「でた~高瀬くんの屁理屈!」
「お前ら…最近、俺いじり多くないか?」
すると鈴木は渡辺は声を合わせて
「別に~」
と言った。
しかし…こいつらは、こいつらで面倒だな、おい
昼休みも後数分。俺はトイレを済ます為に急いで教室を出る。
すると廊下で、教室に戻るところらしい千歳に会った。
千歳は目線が合うと、意味深にピースをきめる。
俺はそれを軽くスルーし、トイレに直行。
トイレから出て、教室に戻る頃には先生が既に来ていた。
俺は急いで自分の机に向かう。
すると千歳は、物音立てずにひっそりと教室に入ってきた俺に気づき、
「おかえり」
多分そう言った…と思う。俺は「ただいま」と言い返し(勿論クチパク)席についた。そうすると、またいつものように紙を渡される。そこには
『1分17秒の遅刻』
と書いてあった。ついでに言い忘れたが、この紙ってのは、千歳が毎日持参し、メモ帳代わりとして使っている小さな折り紙の事だ。この歳で折り紙ってのもどうかと思うが、まぁ気にしない事にする。
俺はその紙を器用に折り、鶴を作って返した。
「ー♪」
どうやら気に入ってくれたらしい。
今日は5時間で終わる。この1時間が正念場って所だろう。
なぜなら、飯を食って満腹になった所で襲いかかる眠気ってのは、かなりの物だが、俺の後ろにいる、睡眠妨害娘の方が断然怖いからだ…。
ホントに…芯だしシャーペンは恐いんだから…
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