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その紙をキャッチし、広げると…
『起こしてくれてありがとう』
と、ただ書いてあるだけだった。
この文だけにしては、さっきの手話は無知から見ても長すぎたような気がするのだが…
千歳は自分で投げた鞄を拾うと、俺の顔も見ずに教室を出て行った。
微かに見えたその表情は…怒ってる訳でも拗ねてる訳でも無く、なんだか嬉しそうな顔をしていた気がした。たぶんな。
だか今はそれよりも厄介な状況に陥っている。
なぜなら、帰り学活が終わったばっかりで、まだ教室に過半数の生徒が残っている状態で起きた出来事であり…
なんかみんなの視線が恐く感じるのだか…
まあ幸いの事に鈴木と渡辺がさっさと教室に出てってくれた事が良かったな…うん、本当に。
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