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ー次の日の朝ー
俺が学校に着いてまずする事、それは知ってるやつには男女問わず挨拶。それが俺の流儀ってやつだ。って言っても目があったり、たまたま近くに居たやつってのが条件なのだが。
俺の流儀2
それは、なるべく早く学校に着いて教室で優越感を味わう事だ。ま、分かると思うが、俺は人に言わせりゃ変わり者の分類って感じだな。
さて、俺は今この流儀2を実行中なのだが…
ガラガラと開いた自分のクラスのドアの先に、既に腰を下ろしている人が居ました事で…その席が俺の後ろ、つまり千歳さんって言う気まずさ…
でもま、俺の流儀に従って挨拶をする。
「おはよ」
すると千歳さんは…「おはよ」と、おそらく言い返したのだろう。唇の動きがそんな風に動いた。
俺は千歳さんの返事を確認すると、自分の席へと座る。
その後の沈黙の時間がこの二人しか居ない教室に流れる。
いつもなら優越感と言う自己満足に浸っているのだが、今回は流石にそうはいかない。
だからと言って、他の教室に行ってもあんまり人が居ないだろうし、(この時点で流儀1に矛盾が現れるのだが)しかしこの空気も耐え難いので、しょうがなく俺は千歳さんともう少し会話をする事にした。
振り返り、「部活はどこに入るか決まった?」と聞いてみる。
すると千歳さんは、いきなり振り向かれ、さらに質問まで飛んできた事に分かりやすく驚いた顔をしたが、少しして「まだ」と言った。いや動かしたと言った方が妥当だろうか。それから俺と千歳さんは少しだけ会話をした。
「どこか入りたい部活とかある?」
「わかんない」
「え?なに?」
「わ…か…ん…な…い」
「わかんない?」
「♪」
千歳さんは少し嬉しそうに首を縦にふるのだった。
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