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俺が教室を出ようとした時、俺の後頭部に何か小さいものが当たった。いや投げつけられたのだろう。
「痛てっ!…なんだ?」
下を見れば消しゴムが見事な不自然さで転がっている。
さて、この犯人は…と周りを見渡してみる。
するとそこに、俺の体育館シューズを持って立っている千歳さんの姿があった。そしておそらく…
「忘れてる」
って言ったのだろう。
これは千歳さんに感謝するべきなのかも知れない。俺はシューズを受け取り、
「ありがと」
と礼をする。すると千歳さんは少し嬉しそうに笑い、自分の支度をし始めた。
俺も着替えの教室に向かう。
(笑うと可愛いな…)とか思いながらだ。けど流石に消しゴム投げるか?しかも後頭部…
しかし、後に分かる事だが、千歳さんは人に気付いて貰う為に、物を投げるのが癖らしい…
さらに、投げる物はとっさ的かつ…物を問わない。
なぜそれを知ったか?それは体育の時間の事だった。
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