ーCommunicationー

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体育は球技の定番、って決め付けはよくないがバスケだった。俺は身に秘めたるスポーツ魂に火がついたのか、かなり熱中して先生の点呼に気づかないでいたらしい。 (やばい…今日はかなり来てる…ここであいつからのパスを貰ってスリーを……「わぁっ!!」 俺がボールを放つ瞬間、誰かの"シューズ"がボールに当たり、そんな非日常な出来事に俺は驚きを隠せないでいた…。 「シューズ?いったい誰のだよ。てかなんでシューズが俺の頭上を通るんだ?」 俺は周りを見渡すと…また千歳さんの姿が目に映る。 千歳さんはなんかご立腹な様子で先生の方を指差している。そして俺の方に向かって走ってくると、 「はやくっ」 とだけを言い、俺の足元に転がっているシューズを履き、みんなの方に戻って行った。 俺もそれを追いかけたが…いったい何が起こったのか、よく分かっていなかった。そして恐らく、俺の周りにいる奴らの呆然な顔を見ると、きっと同じ気持ちなんじゃないのか?とか思った。 そして意外な事がもう1つ。 千歳さんのバスケは…異常なほどに下手だった。 「普通、ゴール下でボールが届かない事ってあるか?」 俺はいつもの飯を食うメンバーに話しかける。 「いや~ドリブルすら出来てないからな~」 と友達A、 「千歳さんってなんか変わってる人だよね」 と友達B、 因みに今更だがこの友達A及び友達Bはそれぞれ、鈴木武(スズキタケシ)と渡辺真太(ワタナベシンタ)だ。 「そう言えば、なんか高瀬くんって千歳さんと仲いいよね」 「そうか?気のせいだと思うが」 渡辺の穏やかな話し方とは対象的に、 「いや、俺は高瀬が朝、千歳さんと話てるのを見たぞ!」 鈴木はそんぐらいの事で眉間にシワを寄せているのだが… (まったく…話したぐらいでなんだってんだが) そんなどうでもいい話をしている内に、体育の時間は終わった。 この後は地獄の数学に英語…早く終わって欲しいと思う限りだ…
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