キミと朝とお隣りさんと

5/18
前へ
/212ページ
次へ
着替えを終えてリビングに行くと、見計らったかのように呼び鈴がなりはじめる。 ピンポーン、ピンポーン、ピピピピピンポーン 「カズくん、カズくん、カズく~~ん、朝だよモーニングだよー」 やべっ、忘れてた… 今日はあの人が来るんだった… ガチャっ 「朝から騒ぎすぎですよ。由緒さん…」 「おっは~カズくん、今日も寝起きです!って感じだね~」 そう言ってケラケラ笑う。 朝からスーパーハイテンションなご近所さんに乾いた笑いを返す。 この難局をどうすれば乗り越えられるだろうか… 頭の中で勝利の方程式を組み立てていると 「カズキくん、お客さん~?」 見計らったように優花の声が家に響いた。 「……。」 「………。」 「女の子の声が聞こえたような気が…」 「き、気のせいですよきっと~」 この人と優花を会わせたら、絶対面倒なことになるだろう… 「うぅ~…お腹すいた~」 優花がトコトコっと歩いて来て俺の手を引っ張る 「…か…かか…カズくん、この子は?」 見知らぬ女の子の登場に、由緒は口をパクパクとさせる 「えへへ、カノジョですよ~!」 優花が胸を張って答える。 「……。」 「…………。」 一瞬で空気が凍った。
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

231人が本棚に入れています
本棚に追加