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着替えを終えてリビングに行くと、見計らったかのように呼び鈴がなりはじめる。
ピンポーン、ピンポーン、ピピピピピンポーン
「カズくん、カズくん、カズく~~ん、朝だよモーニングだよー」
やべっ、忘れてた…
今日はあの人が来るんだった…
ガチャっ
「朝から騒ぎすぎですよ。由緒さん…」
「おっは~カズくん、今日も寝起きです!って感じだね~」
そう言ってケラケラ笑う。
朝からスーパーハイテンションなご近所さんに乾いた笑いを返す。
この難局をどうすれば乗り越えられるだろうか…
頭の中で勝利の方程式を組み立てていると
「カズキくん、お客さん~?」
見計らったように優花の声が家に響いた。
「……。」
「………。」
「女の子の声が聞こえたような気が…」
「き、気のせいですよきっと~」
この人と優花を会わせたら、絶対面倒なことになるだろう…
「うぅ~…お腹すいた~」
優花がトコトコっと歩いて来て俺の手を引っ張る
「…か…かか…カズくん、この子は?」
見知らぬ女の子の登場に、由緒は口をパクパクとさせる
「えへへ、カノジョですよ~!」
優花が胸を張って答える。
「……。」
「…………。」
一瞬で空気が凍った。
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