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結論から言おう。
俺の期待はあっという間に打ち砕かれた。
俺はあのあと、由緒さんに事情を説明しながら帰り途中で別れた。
ガチャっ
「ただいま~…ってなんじゃこりゃぁぁ!!!」
家のなかが凄く焦げ臭く、そして生臭く、さらに 甘酸っぱい臭いがする。
どうやら臭いの発生源は台所のようだ…
そこに…悪魔がいた。
「あのぅ…優花さん、何をしてらっしゃるので?」
「あっ、お兄ちゃんお帰り~。今、カレーを作ってるとこだよ」
そういいながらもお鍋を掻き混ぜている。
…。
虹色に光るカレー(?)がそこにあった。
「…材料はなんでございますか?」
「えぇ~っとねぇ、ジャガ芋でしょ、ニンジンでしょ~、あっそれから玉葱」
よかった、変なものは入ってないな…
「カレールーのかわりにチョコレートをつかって~…あとはアジとかキノコとか…」
…前言撤回!!
そもそもカレーじゃないじゃん!!
「優花…ちゃんと味見はしたのか?」
「今するとこだよぉ~」
そういってお玉に虹色の液体をすくい口に…
バタンっ…優花が倒れた。
「おい、優花!!!しっかりしろ!!」
俺は慌てて優花を支えて、頬をペチペチと叩く。
「ふみゅ~……」
あっ、ダメっぽいな。
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