31人が本棚に入れています
本棚に追加
「父上。あの下田城を守るは、伊豆衆筆頭の清水康英だとか。どう攻めましょうか」
この戦で初陣を飾る、長宗我部盛親には何事も真新しかった。
「そうだな。康英といえばなかなかの智将と聞く。先立っての長浜城とは違うのだぞ」
元親の言う長浜城は、こちらが攻め寄ると、たいした抵抗もなく土侍が敗走し、一戦も交えず陥落した城である。
「分かっていまする。九鬼殿は西方から攻め、脇坂殿は海上よりの圧力をかけるとか。我々は如何しましょう」
初陣ということもあってか、この剛毅な青年はどこか落ち着かない様子である。
最初のコメントを投稿しよう!