最初から知ってた

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何を具体的に話したかと言えば、 ただ地柄準さんと話す中で 同意を求められたから笑っただけ。 頬も眉もひきつったのは、決して地柄準さんが言った 「ほら。メイクさんまで引いてるじゃん」 という理由ではない。 むしろ可愛い~!!!と悶絶しそうなのを必死に耐えてた。 耐えて耐えて耐え抜いた。 これが家なら狂喜乱舞してた。多分夜するけど。 そして同時に、むしろ5人の中なら二番目に好き。 とか、よくよくよく考えれば失礼な前置きがついた上で好きな地柄準さんに 一瞬殺意が芽生えた。 「えー。そうかなー。」 と肩を落とした背中に 「いーえ!めちゃくちゃ面白いです!大好きです!」 といいながら、抱き締めたかったのに。 印象が落ちたにちがいない。 勘違い地柄準!女の子にモテるくせに、女の表情で恋してるって気付いてよ。 と。非難したトイレの中で毒づいた。 セットするってことでもない、ただ整えただけで終わった私の初仕事は、 明日からも続くのだろうか…。 ため息は胸の中だけで収まらず、はぁと外に漏れた。 同時にドアが開く音がする。 「…お疲れ様です。」
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