本編

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信介は浄土真宗、南毛寺の三代目、高校は十勝大泉高校でバスケに青春をかけていた。 そして理恵は北海道の羅臼生まれ。 理恵の実家はその街のお菓子屋さんだった。 少女「クリスマスケーキできてますか?」 理恵の父「はい!ケーキできてますよ。」 少女「わーい!」 理恵の父「メリークリスマス!」 少女「メリークリスマス!」 そして、お店を閉めた後、父親が作ったケーキを食べながらお祝いをするのが理恵の一年で一番の楽しみだった。 父「お父さんが作ったケーキ美味しい?」 理恵「うん!来年は一緒に作ろうね!」 母「一緒に作ろうね!」 だが、来年は来なかった。 父がくも膜下出血で倒れ、理恵が7歳の11月に亡くなってしまった。 幼かった理恵には気付きようが無かったが、母は父が再婚して迎えた後妻。 継母は優しかったが、父が亡くなった後の家にいることは、結局できず、家を出ていってしまった。 そして、理恵自身も帯広に程近い叔父の家に引き取られる事になった。 家族三人で幸せだった理恵はあっという間に独りになってしまった。 羅臼の小さなケーキ屋さんにクリスマスは二度と訪れなかった。
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