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彼女の遺体は既に固く、
美しいが蝋人形の様に固まりきっていた。
真っ赤な黒いレースがふんだんにあしらわれたドレスは姫袖がなんと美しいのでしょう。わたくしの腕の中で眠る彼女を、わたくしは愛しく思えてしまうのです。
しかし、いつまでも放置しておく訳にはいかない。
でも警察に電話する気も更々無い。
わたくしは、世間の方々が何も知らない内に彼女を、彼女のアパートから運びだして、わたくしの屋敷の庭に埋めるのです。
これは、いつも彼女から頼まれていたことでした。
彼女とわたくしは、付き合っていました。ですから、彼女の望みはいつも聞かされるような立場にありました。
朝日の差し込んだ部屋は、とても寒く感じられた。
わたくしは、彼女を折り畳む事が叶わず、誰かに見られて仕舞う時間になったので一日、家にいることにした。
一度動くことをやめると、涙が止まらなくなった。
嗚咽を止めることが、ままならなかった。
彼女は、死んだのです。
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