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彼女と出逢ったのは、今から6年も前の事である。
彼女とわたくしはまだ13で、今とは違い漆黒の髪をストレートにした不思議な少女だった。わたくしは、母の異常な溺愛の所為で学校に行くのは年に数えるほどしかなかった。
しかし、その当時から誰も寄せ付けず、自分だけの黒い世界に入り込んでいた彼女はわたくしにとってどれほど魅力的だったことか。雰囲気だけでなく、顔立ちも背格好も何もかもが人間離れした美しさと気高さを纏っていた。
*
「蝶蓮くん...」
ある日のことだった。
臆病で引込思案なわたくしに、彼女が話しかけて来た。
「…何…ですか?」
もぐもぐと聞き取りづらく発音するわたくしは、惨め極まる代物だろう。
「あなた、あたしを嫌悪する様に脅えた目でいつも見るのね。」
わたくしは何も言えないまま。黙ったまま。
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