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【堕天使1話~桜舞う日の出会い~】
4月6日。私立盟桜学園中等部入学式。
‐-―――
『我が校は』
理事長の話を詰まらなさそうに聞いている砂奈と涼子。
「あぁ~大阪やったら止めてんのに~」
砂奈は顔をむっとさせながらぼやいていた
「ふ~ん」
涼子はつまらなさそうに相槌を打つ
「次あれやで!首席の新入生言葉や!」
「そう・・・」
砂奈が騒ぎ出しても知らない振り同然で冷たく溜息を漏らす。
「冷たいやん!!」
『次は新入生代表秋坂雪音』
その声が聴こえ近藤は言った。
「トシ、あれがうちのトップだ」
「結構美人じゃぁねぇか」
土方は舞台に立つ女を見てそう呟く。
「あの髪って染めてるん?」
砂奈は女の髪をみて隣に居る涼子に問うた。
「地毛~。銀髪も赤髪もいたわよ?目立ってた~」
のんびりと質問に答える涼子
『この春のよき日に我々33期生はこの盟桜学園に入学できた事を心より感謝しています』
「それにしても美人やな~」
女の話を聞きながら砂奈は心底関心していた。
『と話はここまで☆』
女は演説を止めニコリと笑ってみせる。
「あぁ?」
眉を寄せる土方
「どうやら、始まったらしい」
近藤は頭を抱えながら言った。
「トップ5名の手荒な挨拶が。」
近藤の言葉に追いつかない頭。
土方はただ舞台に立つ天使のような女を見つめていた。
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