1話~桜舞う日の出会い。

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そんな光景を見つめる男が1人。 教室に入る扉を開けたときに目に入った彼等をそのまま眺めている。 男―土方はジッと彼等を睨むように見ていた。 桂の心からの願いを笑顔で流して残酷な言葉をさらりと言う雪音。 余りにも自然なその光景はまるで彼女が‘堕天使’である事を示しているようにも見える。 そう土方は考えていた。 スラリと伸びた手足、綺麗なウエストライン、そして整いすぎた顔。 そこらのモデルよりも美しい体型や顔立ちは一言で言うと人形・・ 美麗に微笑む彼女は正しく天使の様で・・・・・ だが、その口から出る言葉は悪魔のようなモノ 入学式の日に彼等‘ブラック・エンジェル’は言った。 【くれぐれも・・・堕天使だけは怒らせねぇようになぁ~】 堕天使と言う言葉は彼等のグループ名と同じ意味だ。 だが、言い方からすると5人の内の誰かを怒らせるなと言っているようである・・・ 堕天使と言う人称は5人の中で誰を指すものなのか? 生徒達の中で一際目立つ彼等に興味津々の者達は多い。 恐れはあるが自分達よりも上だと認めた時、そこに敬意や憧れが生まれるのだろう。 そしてそれが、興味に変る。
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