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人間とは余りにも軽率な生き物だ・・・と土方は思う。
だが彼等に興味を抱いたのは土方もまた同じ・・・
否、土方だけでは無い。
「あぁぁぁ!‘ブラック・エンジェル’やんかぁ~!!」
いきなりの叫び声に土方は驚愕して動けない。
自分達に駆け寄ってくる少女を目前に彼らの空気が一気に張り詰めたものとなった。
茶髪で金色に光るピアスをつけている美少女。
やけに明るく、しかもブラック・エンジェルに向かって駆け寄るのは彼女くらいだろう。
「うちなぁあんたに言いたい事があってん」
煙草を口に咥えながらも少女からは視線を外さない雪音。
大阪弁のその少女は真剣な目で雪音を見る。
「ふ~ん・・・で・・・・何かな?」
雪音は刃向かう気か?といわんばかりに鋭い瞳で少女を睨んでいる・・・
「うちな~」
低い声で
「入学式の日からあんたに目ぇ付けてたんや。」
鋭く目を光らせる
「そうなの?」
「どうしても・・・言いたかったんや・・ラッキーやわ今日居って。じゃぁまぁ」
「大阪から来た宮瀬砂奈言います!!!以後お見知りおきを!!!!よろしゅう」
砂奈が雪音の肩を掴んだと思うといきなり自己紹介をした。
なぜか目をキラキラと輝かせながら。
そして、煙草を持っていた雪音の手から煙草を取り上げて無理やり握手した。
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