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「後悔してるわけ~?」
小さく周りに聴こえないように銀時が言った。
俯いたままの雪音はその言葉に眉を寄せ、顔をあげた・・・
「・・・・」
銀時は無言で雪音を見つめる。
「銀時?どうしたの?」
自分の問いに視線と無言で返した銀時が子供みたいだと雪音は思った。
蘇る昔の思い出と今の仲間達・・
フッと銀時と雪音の脳裏にはあの日の思い出が蘇る・・・
「おい、お前等何呆けてんだよ!?」
そんな銀時の頭を叩く男、土方。
「うるせぇなぁマヨ方~てめぇマヨネーズを人間の穴と言う穴全てにぶち込むぞこら!」
「上等だぁ!!!!!!!天パ・・テメェには小豆を鼻の中にぶち込んでやらぁ!!」
銀時と土方が何時ものように言い合いを始める。
それは昔と何一つ変ってないようで・・大きく変った・・・
「・・・・どうしたの雪音?」
土方と銀時が言い合いしているその光景をボーっと雪音は眺めていた。
「ん?あぁ・・・ん~なんか懐かしいなぁって」
涼子の問いに切なげに呟く雪音。
そんな雪音に涼子は優しく微笑んだ。
「そうね・・・この写真は色々な事を思い出させてくれるんでしょ?」
涼子はゆっくりと喋る。
いつもののんびりとした口調だ。
「ねぇ、雪音・・・今貴女は何に悩んでいるの?」
涼子から優しい笑みが消える。
雪音はその問いに言葉を詰まらせてしまった・・・
「本当だね・・何を悩んでいるのかな?」
雪音は自嘲気味に笑った。
幸せな毎日・・・
手放せなかった仲間達・・・
それでも想いは彼に届いていない。
1話に続く
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