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少女と父親は仲良さげに手を繋いで家を出ました。季節は冬、吐く息が白く幻想的です。
「ところで、―――はプレゼントに何が欲しいんだい?」
「…実は私、プレゼントは特に欲しいものがないんです。」
「そうなのか?」
「はい。…ただ、買えるものではないのですが、欲しいと思うものはあります。」
「…なんだい?」
「それは…」
―お父様とお母様と、これからもずっとずっと一緒にいられる未来―
少女はそう言おうとして口を止めました。はっと気づいて周りを見渡せば、そこはいつも少女がくる街ではありません。薄暗く、人っ子一人通らないような道です。
「…お父様?ここはどこですか?」
「…」
父親は無言でした。
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