第一章。

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「話ってなに」 まだ肌寒い風が吹く屋上。 地味な場所だが一年の頃から俺のアジトになっていて特別な場所だった。 だから、そこに弥生以外の人間が足を踏み入れるってのは気分がいいもんじゃない。 「…」 由里香は俯いたまま黙っている。 こいつは入学式で二年代表の時挨拶するはずだ。 「早くしろ。入学式遅れるぞ」 俺は不機嫌な声を出した。 由里香は一瞬ビクっとすると、小さく深呼吸をして、ゆっくり口を開いた。 「私が好きになったのは海斗様の優しいところなの」
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