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「痛っ~~~!!」
ガバッと雛は起きあがった。
「…って、ここどこ?」
雛が起きてみると、そこは知らない場所だった。
雛がいる場所はどこかの部屋のようだ。すると、誰かが部屋に入ってきた。
「失礼します」
「は、はいっ!」
「起きていたか。具合はどうだ?」
女の人が入ってきた。
「あ、はいっ!大丈夫です。ありがとうございます」
「礼などいい。我が国で倒れている者は、全て助けるまでだ。
なにより、わが屋敷に倒れていれば、なおさらだ」
「あの、ここは一体……」
「ん?ここか?ここは、わが屋敷の一室だ」
「あの、さっきから"我が国"とか"我が屋敷"とおっしゃっていますが……」
「あぁ、この国は我ら中村家が治めている国だ」
「え?」
「そういえば、まだ名を聞いておらぬ。名はなんというのだ?」
「雛です。光月 雛と言います」
「そうか。私は秋。中村 秋と申す。さあ、朝食ができている。私と一緒に大広間に行くぞ。
詳しい話はまた後ほど……」
秋は、なにか含みを込めて立ち上がった。
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