すれ違い

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高校に着くと 「ねえねえ、琉美…」と、声を掛けてきたのは高校に入ってから親しくなった こはく でした。 「今日一緒にいた目付きの悪い人だれ?」 「今日?あれは拓真兄さま」 「えぇ、琉美のお兄さん?似てないわね」 「当たり前だわ、本当の兄さまではないもの」 「どういう関係?」 「関係って…生まれた時からの知り合いだけど」 「何か琉美には似合わない。」 「似合わない?どうして?」 「だって人相悪いし、柄も悪いし……、とにかく良くないよ」 「こはく、何も知らないくせに拓真兄さまを悪く言うのはやめて」 「でも…」 「拓真兄さまはこはくが言うような悪い人では無いんだから」 「わかった。ごめん。そんなに怒らなくたって良いじゃない」 「だって…」 「本当ごめんなさい。お詫びにスイーツおごるから許して」 「スイーツを……うーん、許してあげる」 「それじゃ放課後にね」 「あっ、今日はだめ」 「特別限定メニューで今日までなんだよ。今日をのがしたら二度と食べられないんだよ。それでも行かないっていうの?ねっ、行こうよぅ…」 結局、琉美は今日までの特別限定メニューの誘惑に負けて約束してしまったのでした。
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