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慣れたハズの初体験
前話では不覚をとったが、それから1年。
散髪も5回ほどやってきた。そう、少しは慣れたハズだった。
大勢の人が来るイベント前。私はまた散髪をすることに。
だいぶ慣れたハズだったのだが、仕上げのバリカン中、利用者がまた寝た。コックリとした瞬間に手元が狂う。
後頭部に穴が開いたような愉快な髪型になった。
通りがかった同僚オーチ(♂)と思いきり笑ってみるが、明日はイベント。
シャレじゃ済まない。
そのままにしておきたい衝動を抑えてフォローを始める。
何とか自然な感じに仕上がった。さすが私。散髪もすっかり慣れたな。
「おお。あそこからよくここまで直せたね。」
オーチからお褒めの言葉もいただき、無事散髪を終える。
女主任が、散髪を終えた利用者を見た。
「キレイに散髪できたねー。ついでに眉毛もキレイに剃ったら?」
確かにその利用者は眉毛が太すぎて重々しい。
「了解ッス。眉毛もカッコ良くしておきまーす。」
主任の命令を軽く了解し、産毛剃りを使って眉毛のカットを始める私。
途中で、あることに気がついた。
「しまった・・。眉毛なんか剃ったことねぇな・・・。」
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