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 部活動時間終了のチャイムが鳴り、体育館から他の部の生徒がそれぞれに出てきた。  下校時刻もじきになる。  体を冷やさないように、という顧問の声が部員のたむろする廊下に響き、口々に挨拶が交わされる。  その賑やかさに乗じて、冬太は静かに生徒玄関へ向かった。  雪の冷気を直に取り込む一階の廊下は寒く、冬太を一層憂鬱にさせる。  靴を履き変えた冬太は、暗くなった空に、ふうと一つ息を吐く。  冴々とする晴天だった。  夕空に白く染まった息が、自分の存在を示す唯一確かなもののように、冬太は感じた。  校門を出たものの、何となく真っすぐ帰る気にはなれず、回り道の本屋へ足を向ける。  親と離れて暮らす寮生は、こういう時に煩く言われないのが気楽だと、自分を慰めるように考えながら。
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