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「女の風呂があんまり長いんで、見に行ってみると、女の姿がなくなっていた。
そして若者が湯船に手を入れてみると、氷水みたいに冷たくなっていた。
それで、あの女は人じゃなかったんだなあと、若者は思ったって。
人に恋をした、雪女の話だよ」
祖父は決まって、そう物語を締めくくった。
冬太がまだ、恋の意味も知らない頃のこと。
冬太は、その意味を知りたくて尋ねようとするが、いつも眠気に負けて、意識を手放してしまうのだった。
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