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「……へ?」
少年は間抜けな疑問付を発した。
少女はまだよくわからない様子で首を傾げる。
「…見る、とはなんですか?」
「え、だから、見るんだよ。目で。外を。世界を」
「…?」
「っだぁぁぁー!だーかーらー!」
少年はイライラした様子で頭を抱えた。
ふと、少年は顔を上げ、少女の目の前に指を一本立てて突き付けた。
「例えばほら!今僕の指は何本?」
「…手足合わせて20本です」
「ちっがぁぁーう!今立てている指は何本かってこと!」
「…1本?」
「だーかーらぁ!…って、せ、正解」
「…?」
「じゃ、じゃあこれは?」
少年は指をさらに一本立てた。
「…2本」
「…これは?」
少年は拳を握った。つまり
「…指、立ててますか?」
「正解!なんだ、見えてるじゃない」
「…?これが…見る?」
「そゆこと。だから目をあけてもいいよ……ん?」
少年は首を傾げる。
少女も同じように首を傾げる。
「目を、あけても、いいよ……ん?」
少年は自分の先程の発言に疑問を抱いた。
「…?」
少女は不思議そうにこちらを見つめる。
…目をとじたまま。
「さっき、目、開けてた?」
「…目を、開ける?」
「指を数える時、目を開けてた?」
「目を開けないと、いけないんですか…?」
「だって開けないと…」
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