序章~覚者の夜明け~

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「…28」 「…へ?」 少女はぼそりと呟いた。 「…28です」 「な、何が?」 「…黒子」 「ほくろ?」 「はい…。貴方の、黒子の数。全身の」 「ぜ、全身?」 少年はあわてて自分の体を見た。 たしかに黒子はある。 しかし、それを全て把握することはできない。 死角が無数に存在するからだ。 「い、いつの間に…」 「今です」 「今って…」 少年は衣服を着てベッドの端に腰掛けている。 「ひとつ、ふたつ、みっつ…」 少女は目の前のものを数えるように、指をチョイチョイとしながら数を数える。 「…27…28。ほら、28つです」 「ほらって言われても…」 「貴方はわかりませんか?」 「へ?」 少年は少女の唐突さにも少し慣れてきた。 「私の黒子。全身の」 「全身……ってわかるわけないよ!!」 「…?…何故ですか?」 「何故って…、そりゃあ、服着てたらわからないし…」 「…?」 二人は頭に大きなクエスチョンマークを抱きながら対峙した。
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