『-jupiter-雷』

3/14
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
私が喫茶『空模様』を開店した日の空模様は、 暗雲とした、雲の隙間から、稲妻が空を裂き、 とてもじゃないが、開店日和には相応しくない、生憎の天気だった。   オープンから、数時間が経ったというのに、客がまだ一人も来ないのは、天気のせいに違いない。   だが、そこは生来ののんびりした気質もあって、…まぁ、たまにはこういうこともあるさと、コーヒーサイフォンを磨いていた。 それよりも、この雷で、本当に空が割れてしまわないか…。 などと、くだらない心配をしていた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!