4人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
私が喫茶『空模様』を開店した日の空模様は、
暗雲とした、雲の隙間から、稲妻が空を裂き、
とてもじゃないが、開店日和には相応しくない、生憎の天気だった。
オープンから、数時間が経ったというのに、客がまだ一人も来ないのは、天気のせいに違いない。
だが、そこは生来ののんびりした気質もあって、…まぁ、たまにはこういうこともあるさと、コーヒーサイフォンを磨いていた。
それよりも、この雷で、本当に空が割れてしまわないか…。
などと、くだらない心配をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!