『-jupiter-雷』

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―――カラン。   「いらっしゃいませ」  来客を告げる、乾いたブリキの鐘の音に、反射的に声が先に出た。   「珈琲の良い香りがしたもんでね。ブルーマウンテンを一つ」   入ってきたのは、スラリとした長身の青年であった。   人懐っこい笑顔で、珈琲を注文しながら、カウンターの席についた。   アルコールランプに火を灯し、サイフォンをセットする。
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