『-jupiter-雷』

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珈琲が落ちるまでの間にと、ラングドシャという焼き菓子を勧めた。   「薄いクッキーだな」   「その薄さから、猫の舌という意味の、ラングドシャという名前がついたそうですよ」   彼は、へぇ…と感心したように言いながら、長い指先で薄い焼き菓子を口に運ぶ。   彫りが深く、西洋と東洋が入り混じったような、精悍な顔立ちの、美しい青年である。
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