月明かりの下で

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僕は桟橋に座り、ポケットからチョコレートを出した。 少しやわらかくなったチョコレートだったけど、僕は半分こにして僕の隣に並べて置いた。 桟橋に仰向けに寝転んで月を見ながらオクラホマミキサーを口ずさんだ。 ねえ、もうこんなに堂々と歌えるようなったんだよ。 君が来てくれる事を祈りながら僕は歌い続けた。 今夜の伴奏は蛙の声と.... 湖で時々魚が水面から跳ねる水の音.... 僕は起き上がり、長靴に手を伸ばした。 この長靴はいつからここにあったんだろう.... 「もっと早く来れば良かった....」 そう呟いた僕の頬に何かが触れた。 一度は止まった涙がまた溢れて来た。 僕は君に逢えたら話したい事がいっぱいあった。 両親が僕を大切に思っているってわかった事。 学校で友達ができた事。 自分を好きになれた事。 一生懸命勉強してこの村で医者になるのが僕の夢だという事。 そして.... 僕が君をひとときも忘れる事ができないくらい大好きなんだという事.... 張り裂けそうな僕の思いを包み込むような君の声が聞こえた。 「踊らない?」 完
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