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「疲れた……」
俺はゲッソリしていた。
毎日毎日練習が終わるのを待ち伏せている彼女達。
差し入れとかしてくるんだけど…
一気に十人相手は、流石に辛い。
押し寄せてきて、囲まれるんのが特に…
夏休みまで来るとは、少し想定外だったな。
はあ……
俺はよろよろっと部室に向かった。
「……あ」
体育館の横を通る時、一つのボールをついてる音がした。
ダム、ダム、ダム、ダム…
この音を聞けば、疲れなんて忘れて、体育館の入口にすぐ向かう。
中には一人の女の子が、ゴールから真正面のスリーポイントラインでドリブルをついている。
そしてきれいな弧を描いて、シュートした。
入口の壁にもたれながら、俺は見とれていた。
ボールを拾いにいった彼女が、ちょうど振り返り俺に気付くと…
「お疲れ!!」
笑顔でいつもそう言ってくれる。
「お疲れ」
だから俺もつられて笑顔になるんだ。
この子…
大沢梨花子は女バスのキャプテン。
それから……
俺の気になる事に入る人。
……気になると言うか…
俺の好きな人。
現在片想い中だ。
、
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