†序章†

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 一時間以上かけて家にたどり着いた。いつもは電車で帰ってるから三倍くらい疲れた……  財布から鍵を取り出して開ける。電気を付けて荷物を机に置く。 「とりあえず、シャワー浴びて汗を流さないと」  身体中がベトベトしていて臭いも耐えられない。彼女の荷物のチェックは上がってからでも構わないだろう。  風呂から上がり、ニュースを見ながら女性の鞄から中身を取り出し始めた。 「えーっと……化粧ポーチに財布。iPodに黒い袋」  財布の中に身分証とか入ってるのかと思い、財布の中を確認してみる。 「なんだ……これ!?」  庶民の僕が見たことない分厚い札束。いくらくらいあるんだろう?  札束よりも気になるもの発見…… 「ブラックカード……!?」  特定の人間しか持つことを許されないと言われるクレジットカード。 「超お金持ちらしいな…あの暴力女は」  身分を証明する物は全く持ってなかった。残るは黒い袋の中身だけだ。  鞄から取り出したときにも思ったが意外と重かったことに驚いた。
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