†序章†

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 黒い袋の中から、たくさんの宝石で装飾された王冠が出てきた。 「なんだこれ? どこかで見たことあるような気がする……」  一体どこで見たのかは思い出せない。それより、本物なのかこの王冠。  ただの玩具、偽物だよな。こんな、綺麗な王冠見たことないぞ…… 「ここで臨時ニュースです。今日未明、中央博物館から数億円相当の王冠が盗まれました。警報装置は一切作動しておらず、有名な盗賊団の仕業だと思われています」 「へっ…………」  画面に映っているのは僕が現在に頭に乗せている王冠そのものだった。 「嘘だろ……」  王冠を手に取り画面と比べて見る。まさしく、その王冠だった。 「彼女は泥棒だったのか……?」  僕は余計な事に首を突っ込み、巻き込まれてしまったようだな。 「とりあえず、俺の素性は誰にも知られていないから金庫に保管しよ」  この金庫に入れて置けば安心な気がする。プロの泥棒には簡単に開けられてしまうかも知れないが……  寝よ……。こんな事実を忘れてしまいたい。明日は休日だし、どうするかは明日考えれば良いだろう。  余程、疲れていたのか数分もしないうちに眠った。
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