第一章

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当時の僕の寮は、ものすごい町外れにあり、 僕は免許も持ってなかった。 なので移動はバスかタクシー。 バスで行く事にし、ちょうどいい時間のバスに乗り込む。 1番後ろの席に座り、携帯にイヤホンを付けて、 流れてくる好きなアーティストの歌声を聞きながら、15分程度の短いバスの旅を味わっていた。 ―大丈夫さ、裏切られる事はもう慣れてるから― 僕が中学の時に流行った大好きなアーティストの歌う歌詞に聴き入る。 今の僕なら慣れてるって言えるかな。 けど、この頃の僕は、とても裏切られる事に慣れてるとは言えない、子供だった。
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