第一章

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「お、光太郎くん!いらっしゃーい!」 抜群の笑顔で迎えてくれる料理長・たっくん。 この人は人当たりがすごく良く、誰にでも好かれるオーラを持った人だ。 落ち気味になっていた気持ちも、彼の笑顔で幾分救われた気がした。 「久しぶりたっくん!たっくんに会いたくなって来ちゃったよ!」 冗談混じりにそう返す僕。 「ハハ、でっしょー?会いたかったっしょー?まぁ座って座って!」 言われるがままにカウンター席に座る僕と友人。 料理を適当に選び、 甘党の僕はライムサワー、友人はビールを頼み、とりあえずお疲れの乾杯をした。 「か~!この一杯の為に生きてるわ!」 旨そうにビールを飲む友人。 どこのお父さんだお前は。 「うん、美味い。」 そう思いつつも、僕も全く同じ事を思っていたんだけれど。 たっくんが厨房で楽しそうにパスタを茹でてる横で、僕は友人に、彼女にフラれた事、 ショックでしばらく外出してなかった事などを愚痴った。
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