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3ヶ月後、とある国の街に右手を斬り落とされ…みすぼらしい格好をした小男が現れた。
『冤罪だ!私には何も罪が無いのに…右手を斬り落とされ、妻子を処刑された!』
その男は、人だかりの多い通りでいきなり叫び出した。
『お前さん…どこの国の者だい?』
皆が振り返り彼を凝視していた中…一人の男が彼に聞いた。
『私は呉の国の要離だ。呉王晃絽は義を知らぬ匹夫だ!
王位についた晃絽は、賢臣である伍子諸の恩を忘れた!
そもそも伍子諸は、楚の王に親兄弟を殺された怨みがある』
その男は要離だった。
彼は憤懣やる方無い様子で話しを続けた。
『家臣の信を失ってはならぬ故…私が晃絽に兵を出して楚を討つように勧めたら、あの匹夫は私の右手を斬り、妻子達を殺しおった!
その上…その死体を焼き尽くして、高笑いしておったわ!
正義はどこにある!天の理はどこにある!』
要離はそう叫び、泣き崩れた。
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