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「…チョン!ユチョ!起きて!」
『ん…』
もう朝…?
閉じた瞼を刺激する光。
うっすら目を開けると、呆れた顔で僕の名前を呼んでる君。
「もう10時だよ!今日の予定忘れちゃったの?」
予定…
あ…そうだった。
今日は久しぶりに朝から海に出かけるんだ。
『ん…今何時?』
「だから10時!待ち合わせの時間の10時!!」
『あ…ぁー…起きる…』
「こらっ、いいかげん起きなさい」
僕は頬っぺたを掴んで引っ張られるままに目を閉じた。
この空間が大好きなんだ。
君とじゃれ合えるこの空間が。
君は分かってないんだね。
実は僕の頭はバッチリ起きてるんだよ?
「こらーっ!寝ちゃダ」
不意に手を掴みゆっくりと唇を合わす。
君のその照れた顔が可愛くて…。
『これから毎日、起こしに来て?』
僕たちの未来がうっすら見えた気がした。
ずっとずっと
10年後も20年後も
僕の隣には君の笑顔があるんだ。
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