第零章(上)

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ガリム辺境の地…。 ルノワースとの国境に一番近い基地「カリニム」では、軍上層部からの指令により朝から混乱していた。 「おい…ルノワースに対して攻撃しろなんて…」 「わけわかんねぇよ…」 「上層部は!? 一点張りなのか!?」 「おいリカっ!! こんな時にどこ行く気だよっ!?」 「え? うん…ちょっと散歩しにぃ」 周りの人はその女性の言葉に呆れ返った。 「バカじゃねぇのお前よぉ!? あんな命令出てんのに…」 「だからよ。こんなとこにいられないわっ。ここムサいしぃ。じゃぁねぇ~」 女性はそう言い残しその場を立ち去った。 「あ…おぃ…待てよ…。…ッて、行っちまったよ…」 「アイツ…わけわかんねぇな…」 「あぁ…。そうだな…」 男たちの制止を振り払って彼女は外に出ていった。
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