第零章(上)

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外はカラッと晴れた蒼い空が広がり、数羽の小鳥が空を翔んでいた。 「う…う~ん…。やっぱ外はいいわぁ~…。今日も天気良し…ッ!」 リカが空に向かって大きく手を広げていると 「リぃ-カ姉っ! こんなトコでなぁにサボってンの?」 銀髪の少女が後ろから抱きついてきた。 「ちょっと…ネティ…重たいって…」 まだのしかかっている少女を下ろそうとするも、抱きついたままでなかなか離れない。 「いいじゃなぁいの。たまにゎさぁ~」 明るく陽気な少女は笑いながら言った。 「リカっ!! ネティっ!! いったいなにしてるのっ!? 止めなさいっ!!」 強い口調で背の高い女性が近づいてきた。 「エレ姉ぇ~」 ネティは今度はその女性に抱きつこうとしていたが、女性はさっとよけた。 「あ…ちょ…あぁ~…」 ネティはすっこけた。 「今度はエレン? 今日はみんなヒマなのねぇ~…」 「ヒマじゃないわ。会議室の空気が重いのよねぇ~…。上層部の堅物どものせいでさぁ…」 「アレ!? エレ姉ンとこも??」 すっこけていたネティがこっちに戻ってきた。 「じゃぁ…みんな同じこと考えてんのねぇ」 リカの言葉に二人がうなずく。 基地には三人の女性の笑い声が響いていた。
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