第零章(上)

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「…そういえば…なんでルノワースに対して攻撃しろなんて命令が出たのかしらね」 リカの問いに二人は首をかしげる。 「リカ姉は攻撃してもいいと思ってる?」 ネティはリカの顔を覗き込みながら質問した。 「思うわけないじゃない…」 静かにこたえるリカにエレンは 「そっか…リカの出身って…」 「え…? まさか…ルノワース…?」 ネティがハッとした顔でリカの顔を見る。 「そうよ…。アタシの出身はルノワース…。それに…あの国にはまだ弟と妹がいるから…尚更…ね…」 暗く沈んだ顔でリカは答えた。 「ご家族はお元気?」 「えぇ…昨日も手紙がとどいたわ」 エレンの問いに少し明るくなった。 「ゼノがサラと毎日ケンカして…なんか大変らしいわ」 楽しそうな家族の話に一時話が盛り上がっていた少女たちだった。
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