第一章

11/41
前へ
/222ページ
次へ
「さっきはごめんね?私…何にも知らないであんなこと言っちゃって…無神経だった」 日和がぺこりと頭を下げた。 「何の話だっけ?」 冗談なのか本気なのか、想平は眠たそうに目を擦りながら、そう尋ねた。 「何の話って…さっきのプリクラのことだよ!私、全然市くんの気持ちをわかろうとしなくて…自分の意見ばっか押しつけちゃって…ごめんね!」 日和が再び頭を下げると、想平はニコッと笑顔を作った。 「ああ!その話か。何言ってんだよ!水嶋は悪くねえって。俺が勝手に昔のこと思い出しただけだから。心配かけて悪かったな」 想平はそう言うと、日和の頭を優しく撫でた。 「気にすんな!」 そしてもう1度、眩しいくらい爽やかな笑顔を作ってみせた。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加