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「ひどい!市くんの卑怯者!」
日和が息を切らしながら到着すると、想平は日和の頭をポンと軽くたたいた。
「わりいわりい!それにしても日和ちゃんは今日も小せえな!」
「うるさい!日和ちゃんって呼ぶな!子供扱いしないで!」
想平の頭に手が届かない日和は、ズボンのポケットからはみ出している想平の財布を引きずりだした。
「あ!こら!返せ!」
「やーい!取ってみろ♪」
日和は財布を奪ったまま、勢いよく階段を駆け上がりはじめた。
「すばしっこい奴だなー!」
想平も懸命に追い掛けたが、今回は日和の勝利だった。
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