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「市くんに勝ったー!」
「うるせえ!手加減だし!」
「負け惜しみは格好悪いよ?」
そう言って日和が財布を手渡したとき、財布から1枚の紙切れがこぼれ落ちた。
「あれ?何これ」
床に落ちた紙切れ、それはプリクラだった。
「あー!待て待て待て!」
想平は素早くプリクラを拾い上げると、気まずそうに作り笑いをして財布へしまった。
「市くん彼女できたの?」
日和の唐突な質問に、想平は戸惑いながらも再び作り笑いをした。
「いや!あの!姉ちゃん!」
「お姉さんいたっけ?」
「あー!トイレ行きてー!やべ!我慢できねえ!じゃーな!」
「ちょっ…市くん!」
想平は教室を出て行ってしまった。
「彼女ができたなら、教えてくれたっていいじゃんか…」
その場に残された日和は、寂しそうにつぶやいた。
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