180人が本棚に入れています
本棚に追加
想平に彼女がいたことくらい、別に驚くことではない。むしろいなかったと言う方が驚きである。
何せ文句の付けようがないほどの美少年だからだ。それに加えて性格は優しく、思いやりがある。そして、どんな下らないことにでも一生懸命に取り組む。その姿は誰もを虜にするだろう。
「捨てるの忘れてた」
想平は苦笑いをする。
「捨てることないじゃんか。いくら元カノだって言っても、1度は愛した人なんでしょ?」
「そんなんじゃねえ」
「市くんどうしたの?」
想平が急に真顔になり、うつむいた。日和は深刻そうな雰囲気を察して、自ら教室を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!