二章 誕生

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各地で血煙の舞う中、大地の力の使い手、地龍帝もまた逃げ遅れた人間を発見した。 若い女だ。 どうやら足がすくんでしまったらしい。 逃げようにもうまく動けないようだ。 だからと言って手加減などしない。 ただ斬り伏せる。 それですべて終わるはずだった。 しかし地龍帝は迷っていた。 果たして本当にそれでいいのか…と。 「シリア!大丈夫か!」 「アレックス…」 そこへ一人の青年…アレックスが彼女…シリアのもとへとやってくる。 さらにあとから初老の男女が女の無事を喜んで駆け寄った。 この女の両親だろうか? 地龍帝はいまだ迷っていた。 (彼らが何をしたというんだ? 彼らの命を奪って何になるというんだ??) とまどう地龍帝を見た水龍帝が見かねてやってきた 「何を迷ってるのです?生きているものは殺す。それだけのことじゃないですか。」 「しかし…」
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