【4】心理捜査官

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『さてと。お~い宮本。ちょっとこっちへ。』 富士本が刑事課のホープを呼んだ。 『何ですか?ボス。』 『今日から、彼女がお前の相棒だ。よろしくな。』 『えぇぇぇ!』 (冗談だろ!可愛いけどタイプじゃないし・・・) 『おい、宮本。鼻の下伸ばしてないで、握手ぐらいしたらどうなんだ?』 『あ、はい。宮本 淳一です。みんなジュンと呼んでます。よろしく。』 右手を差し出す宮本。 紗夜が、少しためらった後、左の黒い手袋を外し、手を出した。 (あれれ?そうか!見えなかったんだな。しかし普通は右手じゃ・・・) 『ごめんなさい。』 『いえ!!別にどっちでも・・・えっ!?』 『何がどっちでもだ?分けのわかんないこと言ってんじゃないぞジュン。』 分けが分からないのは彼自身であった。 『サキ。お前も彼女の世話を頼むな。言っとくが、彼女はお前に劣らず美人で優秀だぞ。』 『あ~ら。遠まわしに褒めて頂けて嬉しいわ。賞味期限切れのお茶菓子でもお出ししましょうか?』 鳳来 咲が軽く手を上げる。 『さっそくだけど、ジュン。地下鉄新宿駅で、投身自殺よ。』 『自殺?サキさん。何で俺が?』 『検死官が、ちょっと見て欲しいらしいわよ。』 紗夜が、少し首をかしげたのを富士本は見ていた。 『まったく。なんですかね?しょうがない。では課長、行ってきま・・・あれ?』 『ジュンちゃ~ん。置いてかれますよ~。』 既に部屋を出かけている紗夜を見て、咲(サキ)がからかった。 『まったく。』 宮本の口癖である。
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