【2】悲しみの少女

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『参ったなぁ…。』 そう言いながら、紗夜の顔を伺う正明。 『イイよ…。サヤはロウソクなんてなくても。パパがいればいい。』 愛しくてたまらない健気な笑顔。 『よし!。そこのコンビニまで買いに行こう。』 『ほんとに!』 少女の目が輝く。 『智代、ちょっとコンビニまで行ってくるからな。』 (………) 返事はなかった。 『私も行く!』 『よ~し。二人で夜のお散歩だ。』 こうして、二人はすぐ近くのコンビニへ出かけたのである。 『うっひゃ~、寒いな。雪でも降るかな。寒くないか紗夜?』 『うん。パパの手、あったかい。』 『そうか?紗夜の手もあったかいぞ。ハハ。』 コンビニが見えて来た。 『んん?』 コンビニの前では、若い男女が三人、バイクの横でタバコをふかしていた。 どう見ても未成年である。 『紗夜、先に中でロウソクを探しててくれるかな。』 『は~い。』 紗夜がコンビニへと入ったのを見届けて、正明は若者達に話かけた。 『こらこら、君たちはまだ未成年だろう。タバコをかしなさい。』 『はぁ?なんだぁおっさん。』 ピアスをした男が、鋭い眼で見上げる。 『たっちゃん、こいつなに様ぁ?』 女が指を差した。手の甲にあるドクロのタトゥーに、正明が目を細める。 『殺されたくなかったら、あっち行けや、おっさん。』 たっちゃんと呼ばれた男が立ち上がる。 『き…君は…!』 その顔に見覚えがあった。 『なんでこんなやつらと…?』 その言葉に女が反応した。 『あんだと!クソじじぃ。』 正明は、つかみかかる腕を取り、軽く地面へと転がす。 『いってー!』 『あっ、大丈夫か?』 条件反射とはいえ、思いのほか女が派手に転がったので、正明は少し焦った。 『てめぇ!』 女を気遣い、かがんだ正明の腹に、ピアスの男が蹴りをいれた。 『グッ!』 その足を抱えて、正明は男の方へ踏み出す。 片足を取られ、後ろに転ぶ男に、正明がのしかかる。
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