42人が本棚に入れています
本棚に追加
サァアァァァァアァァァ…
一陣の風が抜けていく
彼女は瞳を開くと素直に感想を述べた
シルフィーナ「相変わらずここは気持ちいいのね」
??「お帰りなさいっ シルフィーナッ!!」
突如としてシルフィーナの背中に軽い衝撃がかかる
シルフィーナ「貴女も相変わらずなのね、フレイア」
フレイア「えへへっ だって久しぶりなんだもん」
少し照れたようにシルフィーナと話すのはヴァルハラでは一番若いフレイアだ
愛の女神として知られる
シルフィーナは笑顔を見せると再び辺りを見渡す
シルフィーナ「…ビフレスト…」
その視線の先にあるのは光の橋
「ビフレスト」
ヴァルハラのあるアースガルズとヴァン神族が治めるヴァナヘイム
冥界の女王ヘルが支配するニブルヘイム
そして元始の巨人ユミルの子らが支配するヨトゥンヘイム
そして世界樹ユグドラシルを結ぶ橋である
フレイア「毎日見てるとそんなに特別な物でもないんだけれど…?」
シルフィーナ「久しぶりに見ると綺麗よ、フレイアはそう思わない?」
フレイア「う~ん…綺麗は綺麗だけど…う~ん…」
シルフィーナ「うふふっ 毎日見てるものね」
フレイア「うん! あ…オーディン様がお待ちになっているんだった!!」
くすっとシルフィーナが微笑みフレイアの頭を軽く撫でる
その感触はとても柔らかく心地いいものであった
フレイアを横切りヴァルハラの神殿へと足を踏み入れる
厳粛な面持ちであるがどこか安らぎのある懐かしい空気
つい今しがたまで人間界ミッドガルドで感じていた空気とはまったく別物であった
シルフィーナの足音が響く
常に歌われる鎮魂歌が胸に響いた
一瞬、シルフィーナの脳裏に誰かの顔が浮かんだがそれが誰であるのか
既に忘れてしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!