第参話

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グリードはため息をつく。 『やはりアスナは見た目も動きもかわり、手を抜いて戦うのでは気絶は無理か。 ならば』 『ならば・・?』 アスナの言葉にグリードの姿がアスナの視覚から消えた。 『もう少し力を出す必要があるな』 グリードが空中にいて木刀を振り下ろさんとしているのを見てアスナは後ろに跳んだ。 アスナがいた地面はクレーターのように沈み、その衝撃破はアスナと周りの炎の壁に当たる。 アスナは炎の壁に当たる前に姿が消えた。 それは衝撃破により消えたのだ。 アスナは木に激突する。 『じゃあな、アスナ。 また会う事がない事を祈る』 グリードは木刀の刀身をいつもの姿に戻す。 『待ちなさい。 まだ私は・・』 アスナは立ち上がろうとする。 だが立ち上がる事が出来ず、いつのまにか炎龍刀と氷虎刀は消えていた。 意思に反する心器の消滅は持ち主が限界である事を示すか、心器がこれ以上は持ち主が死ぬか怪我だけでは済まないかも知れないと消滅する。 今回のは後者であろう。 『無理はするな。 ちゃんと傷と怪我を治してから来い』 グリードはそのまま歩き始めた。 アスナは自由に体が動かせない為にただ見送る事しか出来なかった。 『覚えてなさい。グリード』
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