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こうして、俺達は帰路についた。
それから俺と美雪はたわいのない話をしながら二人で歩く。
まあ俺はずっと美雪に見とれていたのだがな。
あぁ、俺、幸せです。
「!?」
…しかし、俺の心境は美雪の方向をみて一瞬にして変わることになった。
確かに俺の目に写る、美雪の後ろの離れたところに見える大型トラック。
それは明らかに美雪の方に向かってきていて、もう数秒でぶつかりそうだったのである。
[ドン!]
俺は無我夢中で美雪を突き飛ばし、トラックの軌道から外した。
「いったぁ!ちょっとっなにす――」
俺に突き飛ばされ、少し離れた地面に倒れた美雪はキッと俺を睨み文句を言う。
が、
俺は最後まで美雪の刺々した言葉を聞くことができなかった。
身体にかなりの衝撃を感じたあと、俺は宙をまっていたのだ。
今の俺の視界には一緒に吹き飛ばされた買い物袋がある。そして地面に立っている美雪…
ごめん……俺、神に誓ったけど守れなかったよ……
…ごめんな……美雪……
そして俺の意識はここで潰えたのだった。
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